絹川が翻訳した「俳優のためのハンドブック」(フィルムアート社)を、俳優の堺雅人さんが紹介してくださいました。
『俳優のためのハンドブック─明日、舞台に立つあなたに必要なこと』(メリッサ・ブルーダー、リー・マイケル・コーンほか:著、絹川友梨:訳/フィルムアート社) |
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。本誌で堺雅人さんがオススメしてくれたのは、『俳優のためのハンドブック』。堺さんは、俳優になりたいという人に限らず、広く一般読者の胸に届く1冊として、この本について語ってくれた。WEB版特別インタビューでは、より専門的な内容を堺さんのコメントとともに紹介する。
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「演劇入門書や演技論の本を読むのが好きなんです。『俳優のためのハンドブック』は昨年9月に刊行された、最新の1冊。言ってることは、古典的な本と一緒なんですけどね。“魔法なんて起こらないよ”と。あるいは、“役になりきるなんてあり得ないよ”。膝をポンポン叩きながら読みました」
本書は、アメリカの劇作家・デヴィッド・マメットが1983年~84年に行った伝説のワークショップをまとめたもの。全米の演技クラスや、プロの稽古現場でも読み継がれてきたテキストの待望の翻訳だ。第2章で登場する、以下のシンプルな公式に、堺さんは感銘を受けたという。
1.キャラクターは、戯曲の中で何をしていますか?
2.キャラクターにとって、不可欠なアクションは何ですか?
3.キャラクターのアクションは、あなたにとって何にたとえられますか?(“まるで○○のように”というたとえ)
実は、この公式を意識して、4月13日放送のスペシャルドラマ『リーガル・ハイ』の撮影に挑んでいたという。
「法廷シーンはほとんど、これで作ってますね。法廷っていうアングロサクソン的文化には、ばっちり当てはまるようです。逆に、学校だとか日常のシーンではダメだった(苦笑)。このメソッドが100%正しいわけではないし、あらゆる場面で当てはまるものではないと思うけれども、エッセンスは間違いなく役に立つと思うんです。“いい役者になりたい”“いい芝居をしたい”というゴールを直接目指すのではなく、具体的に、いま自分は何ができるのかということを徹底的に考える。自分は何になりたいかじゃなくて、自分には何ができるのか……。うん、やっぱり、役者じゃないみなさんにもオススメしたい1冊です」
取材・文=吉田大助
(ダ・ヴィンチ電子ナビ「あの人と本の話 and more…」より)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130409-00001955-davinci-ent&1365474600