バンクーバー2日目

 私は今年からITI(International Theatresports Institute)の
アジア支部長になったので、ITIの活動を内部の立場として
手伝っている。いまバンクーバーにいるのは、支部長会議
(2日間10:00-4:00)のため。
 ただのメンバーだったときは、ITIに対しして正直いって
あまりいいイメージを抱いていなかった。
外側から見えるITIは、権利に厳しく、批判的で、
「あなたがやっていることは間違っている」と常に批判する
カルト的組織だった。
「上から目線でメンバーを批判する。
キース・ジョンストンを諸手をあげて讃え、彼の考え方だけが
正しいことを強調する。インターナショナルといいながら、
結局実際はアメリカ・カナダのインプロバイザーが中心であり、
英語以外の言語に関しての配慮がない。
「インプロ」は演劇ではなく、ひとつのジャンルだと
認識している(=コメディ)」などなど。
これは単なる私の思い込みではない。
実際にこのような扱いを受けたことが私自身あるし、
屈辱的な扱いを受けた人たちがいることも知ってる。
それでもこの組織に所属しているのは、やはりインプロが
興味深く素晴らしいものだと思うだから。
 しかし今日の支部長会議で、わたしのITIに抱いていた
イメージは大きく変わった!ITIの支部長たちは、
上記のようなことは全く考えていなかった〜!
彼らがやろうとしていることは、それとは真逆である。
(とてもびっくりした)
まずITIは、できるだけ公平な目でグループを扱い、批判的な
態度をあらためようとしている
(どうやらかつてはそういう方針だったらしい)。
またキースの考え方をどう扱うかに関しては、彼の考え方は
もちろん重要でリスペクトするけれど、それだけにとどまらず
インプロヴィゼーションの多様性を認めようとしている。
言語について、なんとか多言語に対応しようとしている
(でも予算がないのが問題)。できるだけ別の国にも
開こうとしている。
また「インプロは演劇芸術のひとつである」というポリシーのもと、
どうしたらそれを認めてもらえるかという点について考えている。
さらに「イエスアンド」を必要以上に要求する
「イエスアンド・ファシズム」という行為の認識と注意。
これらは私がやろうとしてきたこと、
やろうとしていることと合致する。
まったくもって同意できる考え方だ。
 「今まで私たちが受けてきた屈辱や苦しみや悲しみは
なんだったんだろう」と思った。
ITIの支部長的な人たちから、
かなりココロを傷つけられる体験をしたよ〜。
でもITI自体は全く異なるポリシーで活動をしていたなんて。。。
Never mind.
おそらく組織としては上記のような気持ちで活動をしていたのだが、
それは組織を形成しているメンバーにはまったく伝わっていない
のだなと思った。
だからメンバーの中には、いまだに過去の支部長たちに
傷つけられた気持ちのまま、この組織に所属している人もいる。
私ができることは、まず自分が傷つけられた気持ちをデリートし、
今あるITIの組織が健康的なものに変わってきたことを素直に喜び、
ITIのいまの考え方・ポリシーを、できるだけアジアのメンバーに
伝えることだろう。
2年間の任期の中で、自分にできることを具体的に考え始めている。