「逆もまた真なり」を常に考えたい。
「インプロの大事なこと=相手に良い時間をあげること」は(分かるけど)息苦しい。何度もいう。その大事さは分かる。けどそれだけを強調されると息苦しい。
西欧と日本の文化背景の違いも繊細に受け止めたい。自己を主張することが当たり前の国と、自己主張ができずどうしても周りを見て行動してしまう傾向の強い国では「相手のために行動する」は意味が異なるのではないだろうか。
わたしがもしワークショップを子供に大人にファシリテートするときは、まずは「自分に良い時間をあげる」経験をたっぷりしてほしいと思う。大笑いして、楽しくバカなことたくさんして「自分って意外にいけるじゃん」という経験をしてもらう。相手のことを考えるのは、順番としてはその次じゃないかな。相手にも寛容になれるし、相手との時間を楽しむ余裕も出てくる。そこでようやく「相手に良い時間をあげましょう」の大事さや面白さを理解してもらえるかもしれない。
自分を大事にできない人が相手を大事にする行為には、無理や嘘や偽善を背後に感じてしまう。
さて。
それができるようになったら、さらに逆も真なり(本当はここからが本当のインプロのクリエイティブな面白さ)。
自分に汗かく時間を、相手に汗かく時間をもたらしてみようじゃないか。
相手に遠慮せずに、相手が「そうきたか〜!!」とびっくりするような刺激的なオファーをする。相手からくる変化球を受け取れるか、受け取れないかドッキドッキしながら食らいつく。
そういうやりとりこそ即興的なやりとりのクリエイティブな本質なんじゃないかな。そう考えると「相手に良い時間をあげる」という概念は、本質的に双方向のクリエイティビティを失わせている可能性がある。教育的には美しい概念だけど(苦笑)。
これが、インプロを教育のツールとして使う弊害とも言えるかもよ。